概要
OpenStack Compute(Nova)は、ユーザリクエストに応じて、コンピュートノードで仮想マシンインスタンスを起動します。また、仮想マシンインスタンスに適用するセキュリティグループ、SSHログイン用の認証鍵、接続する仮想スイッチ、テストOSのテンプレートイメージを指定します。
OpenStack Compute(Nova)の構造
Novaの内部構造(構成する主なコンポーネント)とその機能は、次の通りです。デフォルトでどのコンポーネントがどのノードにインストールされるか配置されるノードについても記載してます。
コンポーネント | 機能 | 配置されるノード |
---|---|---|
nova-compute | 各インスタンスを直接扱うコンポーネント | コンピュートノード |
nova-api | エンドユーザーからのリクエストを受け付けるためのコンポーネント。ここがエンドポイントとなるほか、認可もここで実施する | コントローラノード |
nova-scheduler | インスタンスを作成するコンピュートノードを決定するコンポーネント | コントローラノード |
nova-conductor | コンピュートノードに配置されたnova-computeの情報をデータベースに集約し、他のコンポーネントへ提供するコンポーネント | コントローラノード |
OpenStackコンポーネント一覧
コンポーネント名 | コンポーネントの説明 |
---|---|
Nova
[ノヴァ] |
直訳は「新星」。OpenStackプロジェクトの開始前からNASAが独自に進めていたプロジェクト名が、そのまま使用されています。AWSのAmazon EC2およびEBSに相当し、主にVMインスタンスの管理を担います。 |
Swift
[スイフト] |
直訳は「迅速」。無限にスケーラブルなオブジェクトストレージで、データ保存や読み出しを可能にします。仮想マシンイメージやデータ等のファイルを保存・検索する機能です。 |
Glance
[グランス] |
直訳は「見る」。OpenStackのストレージ上で、使用する仮想マシンのイメージファイルを保存・編集する機能があります。 |
Horizon
[ホライズン] |
直訳は「地平線」。OpenStackのWeb管理コンソールで、WebブラウザからOpenStackを管理・操作する機能を提供します。VMインスタンスやネットワーク、リソース使用状況等が確認できます。 |
Keystone
[キーストン] |
直訳は「要石( |
Neutron
[ニュートロン] |
プロジェクト名は元々Quantum「量子」でした。全てのOpenStackサービスを接続するためのSDN(ソフトウェアで定義されたネットワーク)を提供します。 |
Cinder
[シンダー] |
Cinder Blockは、「穴の空いているコンクリートブロック」という意味です。ゲストVMに永続的ブロックストレージを提供します。OpenStackブロックストレージコントロールプロトコルを通してマウントします。 |
Heat
[ヒート] |
直訳は「熱」。環境構築の自動化やオートスケーリングを実現します。OpenstackネイティブのREST APIやCloudFormation互換のクエリーAPI経由で操作します。 |
Ceilometer [シーロメーター] |
直訳は「雲高計」。各コンポーネントのリソース消費量を計測/集計するためのコンポーネントです。この計測量に則って、ユーザへの課金が実施されます。 |
Ironic [アイロニック] |
直訳は「皮肉」。「クラウドなのに物理を使う」という皮肉が込められたネーミングなのかもしれません。ベアメタル(空の物理サーバ)に対しプロビジョニング(ユーザ需要に合わせサービスを提供する行為または仕組み)を可能とします。 |