OpenStack Days Tokyo 2018に参加してきた

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はじめに

2018年8月2日~3日にベルサール東京日本橋で開催されたOpenStack Days Tokyo 2018に参加してきました。今年はOpenStackの枠を越えて、様々なクラウドプラットフォームを横断するオープンフレームワークやミドルウェアに注目する「Cloud Native Days」を併催されており、クラウドネイティブに向けて(Toward Cloud Native)というテーマで盛り上がっていた。個人的には、参加したセッションすべてでkubernetesというキーワードを耳にするくらいコンテナに関する話が多かった印象がある。

日本のユーザ会から発祥しグローバルイベントに成長したOpenStack Daysは、今回で6回目の国内開催となり実行委員長の長谷川章博氏は、インタビューで「クラウドでVMを動かすだけではなく、クラウドを“よりクラウドらしく”使うためには何が必要なのかについては、まだ議論がしつくされてない」と話しており、プログラムも「コンテナ」「Dev/Ops/PaaS」「AI/Deep Learning」「Edge/NFV」というカテゴリごとに多数のセッションが用意されていた。

カテゴリ 説明
コンテナ コンテナ技術(K8S, OpenStack & Container等)
Dev/Ops/PaaS DevOps、CI/CD(Continuous Integration/Continuous Delivery)、PaaS(Cloud Foundry, Serverless/FaaS, Ansible, Kong 等)
AI/Deep Learning AI/DeepLearning、HPC、GPU利用技術
Edge/NFV エッジコンピューティング、NFV(Network Functions Virtualization)

OpenStackでの最新トピック

Kataコンテナ

OpenStack Foundationがホストする初めてのOpenStack以外のプロジェクトKata Containersの、バージョン1.0が5/22ローンチされた。それはコンテナのワークロードを隔離して動かすためのシステムで、元々IntelとHyperにそれぞれあった類似のプロジェクトをマージしたプロダクトだ。デベロッパーはKata Containersを使って、DockerやKubernetesをベースとするコンテナに、従来の仮想マシンのようなセキュリティと隔離機能を持たせることができる。

そのためにKata Containersは、各コンテナにきわめて軽量な仮想マシン(VM)を実装し、ハードウェアレベルの隔離を与えるが、ただしそれによる大きなオーバヘッドは生じない。そしてコンテナの標準的な定義に合わないように見えるKata Containersは、実はOpen Container Initiativeの仕様やKubernetesのコンテナランタイムインタフェイスと互換性がある。これをサービスとしてホストするのはOpenStack Foundationだが、Kata Containersは使用するプラットホームやアーキテクチャを特定しない。

IntelとCanonicalとRed Hatが、このプロジェクトの財政的サポートを表明しており、また99cloud, Google, Huawei, Mirantis, NetApp, SUSEなど多くのクラウドベンダーたちも支援を発表している。

Zuul

DevOps関連では、従来OpenStackで利用されていたツールを独立したプロダクトにしたCI/CDツール「Zuul」が5月に発表された。OpenStackほど複雑なオープンソースプロジェクトは、AmazonのAWSのような総合的なクラウドコンピューティング環境を、企業が自分のデータセンターのインフラストラクチャとして装備するためのシステムだ。それを構成するさまざまなサブシステムを作るためにチームは、独自のDevOpsツールを作らざるをえなかった。2012年には、その一環として、オープンソースの継続的インテグレーションとデリバリ(CI/CD)プラットホームZuulを作った。そしてこのほど、Zulu v3のリリースを契機に、ZuluをOpenStackから切り離して独立のプロジェクトにした。でもOpenStackのエコシステムを去るわけではなく、依然としてそれは、OpenStack Foundationがホストするツールだ。

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