東急ハンズは2017年9月にも全ての社内システムをパブリッククラウドへ移行し、社内サーバを撤廃すると発表した。ネットベンチャーを除けばパブリッククラウドだけで社内システムを運用する企業は珍しい。大企業でも将来的にパブリッククラウドへの完全移行を目指す企業はあるが東急ハンズが他社に先んじた格好だ。
移行対象となる社内システムは、小売業の基幹システムであるマーチャンダイジングシステム、POSサーバ、会計システム、人事システムで、これらをAmazon AWSへ移行する。メールシステムやスケジュール管理、ファイルサーバはGoogle GSuiteを利用する。
東急ハンズがAWSを選んだ理由
AWSサミットで基幹システムをAWSへ移行している東急ハンズの事例紹介でも説明されていたようですが、東急ハンズでAWSを選んだのは、ずばり「Pliability、Speed」の2つだそうです。どちらもAWSでないとできないことで、コストが安いから移るというのは、そんなに得策ではないと考えられているようです。
また、AWSにシステムを移すときには、いちばんリスクが小さいところから試して、よかったら次の段階へ、というのが定石ですが、東急ハンズでは最初から基幹システムを検証しようと、それがだめだったらだめなんだよ、という考えで覚悟を決めて進めたことが功を奏したようだ。
ひと言コメント
トップダウンでクラウドで移行を伝えロードマップを明確にし、さらにクラウドを前提とした自社エンジニアのスキルポートフォリオまで示せたことで、組織全体で同じゴールを一直線すすめたことで、短期間での意思決定と移行が実現できたと考えられる。
トップダウンは時として必要だ。