スパコンTSUBAME旋風

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

クラウドから少し離れるが、今後さらにAIやビックデータ分析需要が高まってくれば、いずれはクラウド基盤としても採用される可能性があるスーパーコンピュータ(スパコン)について紹介します。

東京工業大学で8月に、省エネ部門で世界一に輝いたスパコン「TSUBAME3.0」が稼働する。TSUBAME3.0は電気効率(1ワットあたりの計算性能)が去年世界一のエヌビディア製スパコンの1.5倍にあたる1ワットあたり毎秒141億回の演算を実現した。CPUにはインテル、GPU(画像処理半導体)にはエヌビディア製を採用し、CPU1080基、GPU2160基搭載した。設置面積は京の2%以下とコンパクトサイズを実現した。

省エネという観点においては、スパコンの計算能力を高めるだけならCPUやGPUの数を増やせばよいのだが、省エネ性能向上には消費電力を抑える手法が欠かせない。TSUBAME3.0の代表的な工夫が冷却方式である。多くの計算装置を使うスパコンは稼働中に大量の熱が生じる。そのため冷却にかかる消費電力を抑えるのが省エネ性能を高めるための重要なファクターとなる。TSUBAME3.0は、外気に近い温度での水冷式を採用しており、装置の間に水を循環させ熱を受け取り、余熱を外気に放出し、再び循環を繰り返す。このとき32%と生暖かい水を用いることが省エネ性能を向上させているようだ。

単純なスピード競争においては、中国にはかなわない日本製だが、省エネ部門では圧倒的な強さを見せた。2位にはヤフージャパンの「クウカイ」、3位には産業技術総合研究所の「RAIDEN」がはいった。

ひと言コメント

スパコンの計算性能は国力を反映するとも言われ、日米中で開発にしのぎを削ってきたが、近年は中国の躍進が目覚ましく、4年連続で首位を維持しています。一方で環境問題に対する意識の高まりから省エネ性能(電気効率:1ワットあたりの計算性能)が求められるようになってきてます。電気効率を高めることは付加価値となり、市場優位性を確保できるため、今後も日本勢の躍進には期待したいと考えてます。

またコンパクトサイズというメリットを生かすことで、TSUBAME3.0は学校や企業で広く採用される可能性を秘めており、実際にAI研究やディープラーニング、気象予測、新薬開発の現場で採用され始めてます。AIなどの最新技術の進化はスパコンの進化によって支えられているのかもしれません。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする